教育理念
ごあいさつ
-21世紀の理想的な統合医療の人材育成をめざす-
日本統合医療学園 学長 吉村吉博
今日の日本は、高齢化や患者の増加に伴い国民医療費が増加し、国の社会保障費が破綻状態となっており、病気への予防に関心が高まっています。その予防医学には現在の主流医学である西洋医学のみでは限界があり、予防医学が得意な東洋医学(中医学)が見直されてきております。また、東洋医学は「瀉」と「補」のバランス医学であり、「瀉」のみの現代医学では対応が難しい疾患が多く、最後の砦として東洋医学の治療を望む方が多くなっています。そこで、日本統合医療学園は、西洋医学と東洋医学などの代替医療を融合した統合医療の教育を目的として発足しました。46年ぶりの薬事法(現医薬品医療機器等法)の改正によって、平成21年4月から登録販売者制度がスタートしました。一般用医薬品がリスクの強弱により3種類(第1類、第2類、第3類)に分類されています。スイッチOTC医薬品のようなリスクが高い要指導医薬品や第1類は、薬剤師のみが対面販売で売られています。しかし、比較的リスクの低い第2類、第3類の医薬品は医薬品全体の99%を占め、登録販売者でも販売が可能となっています。さらに、漢方薬は第2類・第3類に分類されているため西洋医学と東洋医学に関わる医薬品を扱うことができます。今後、登録販売者は予防医学の一つであるセルフメディケーション(自己治療)やセルフプリベンション(1次予防)に大きな役割を担うことになります。そのため、本学園は平成21年4月に発足し、登録販売者の受験対策ばかりでなく、漢方(中医学)の知識に長けた登録販売者の育成を行っています。
登録販売者制度は平成27年4月より受験・研修制度に変更があり、研修がなくても受験が可能となりましたが、合格しても「仮免」状態であり、店舗管理者になるには受験前後の2年間の研修が義務化されました。本学園は発足以来100%合格の実績があり、学園付属の漢方薬局や薬店、並びに提携しているドラッグストアでの研修を行っています。
予防医学が叫ばれている中、薬剤師や医師等は、大学における漢方教育をほとんど受けていなく、しかも国家試験にはほとんど出題されていないため、漢方の知識はないに等しいです。そのため興味がある方は免許取得後に学会や勉強会で勉強しているのが現状です。そこで、本学園では、薬剤師、医師、獣医師、歯科医師、鍼灸師、管理栄養士、登録販売者等を対象に中医学(日本の伝統である漢方とは似て非なるもの)の教育であるベーシックコース(中医学基礎)、アドバンスコース(臨床各論)を行っています。さらに一般向けに薬膳コースも開始しました。
本学園はこれまで多くの優秀な医療人を世に輩出してきました。是非とも将来の医療を担う方や中医学や薬膳に興味ある方々とお会できますよう、心よりお待ち申し上げております。